『100円でAIに乗るだけ』の副業広告のあと、数万円規模の高額プランへ進む型を、消費者庁・国民生活センターの一次情報で調べた
今号はこの件を洗いました。特定の事業者は名指しせず、案件をまたいで現れる一つの型として、お金の流れで調べた。SNSの広告で「100円でAIの予想に乗るだけ」という副業・投資風の話を見かけることがある。入口の金額はたしかに小さい。だが、怪しい話には毎回ちゃんと理由がある。今回は、その「先」に何が待っているかを、数字と公的資料で追ってみた。
「100円」の次に来るものを、数字で追う
「100円から始められます」という広告は、入口の設計としては理にかなっている。判断のハードルを極限まで下げ、まず「登録してもらう」ことだけを最初の目的にしているからだ。問題は、そのあとどうなるか、である。
国民生活センターは2018年、情報商材のトラブルについてこう注意を呼びかけている。「近年みられる手口では、初めから高額契約を勧誘するのではなく、無料や少額の情報商材を販売してから高額契約を勧誘する事例があります。」(国民生活センター、2018年8月2日)
つまり、安い入口は契約の終わりではなく、次の段階へ進むための通過点として設計されている、ということだ。
数千円の入口から、数十万円のプランへ
消費者庁は2025年6月26日、副業を持ちかけて高額なサポートプランを契約させていたある事業者について、消費者安全法にもとづく注意喚起を公表した。公表資料によれば、まず数千円のガイドブックを購入させ、そこからLINEでの電話勧誘を経て、60日間・250万円規模のサポートプラン契約へと進める流れだったという。安いガイドブックは、次の電話番号を手に入れるための入口だった、ということになる。これは特定の事業者を名指ししたものではなく、公表資料に見える型の一例として紹介している。
表示されているジャンルと、中身が違うことがある
もう一つ、確かめておきたい型がある。広告では「投資」「副業」として出てくるのに、実際に使ってみると中身は競馬・競輪・競艇といった公営競技の予想ソフトだった、というケースだ。ジャンルの看板と実際の商品が、そもそも一致していない。
特定商取引法12条は、通信販売の広告についてこう定めている。「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。」(e-Gov法令検索、特定商取引に関する法律第12条)
景品表示法5条2号も同様に、取引条件について著しく有利だと誤認させる表示を「不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」として禁じている。
「投資」「副業」という看板と、実際に届く中身が一致しているかどうか。ここは、契約する前に自分の目で確かめられる、数少ないポイントの一つだと思う。では、なぜ中身をそのまま出さず「投資」「副業」という看板をかけたのか。そこも、一度考えてみてほしい。
巻き込まれないための、ゆるい行動ルール
気合いで見抜こうとすると疲れるので、私は「いつものクセ」にしてしまうのがいいと思っている。一番効くのは、その場で決めないこと。「いったん持ち帰って調べます」を口ぐせにしてしまえば、それだけで大半は防げる。そのうえで、
- 「無料」「100円」の先に、金額の書かれていない次のステップがないか確認する
- 広告で謳われているジャンル(投資・副業)と、実際の商品説明が一致しているか確かめる
- 「AIが自動で」「誰でも稼げる」という言い切りを、まずは疑ってみる
- 電話・LINEでの勧誘に移った時点で、一度その場を離れて調べる時間を取る
この記事のまとめ
- 「無料」「100円」は入口の価格であって、契約全体の価格ではないことが多い
- 表示されているジャンルと実際の商品内容が一致しているか、契約前に確認できる
安い入口の言葉に反応する前に、その先に何が待っているかを、まず数字で確かめてほしい。