第317号黒岩検閲済 2026年7月9日 発行(不定期刊/前号:7月9日発行)|投資詐欺・悪質商法の手口を調べて記録する調査報
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調査報告|短期実績×ステマ誘導の予想サイトの型

「数日だけの的中実績」を見せて更新が止まる競艇予想サイトの型を、予想情報の相談事例とステルスマーケティング規制で確かめた

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黒岩警戒度

今号はこの件を洗った。競艇の予想サイトに新規登録すると、まず特典としてポイントが付与される。ただし有料プランを使うには、その特典だけでは足りない額のポイント購入が要る作りが多い。加えて、サイト内の「的中実績」が数日分だけ並び、その後は長く更新が止まる型もよく見る。個別の事業者は名指しせず、この「短期実績×ポイント課金×複数サイトによる誘導」という型を、確かめられる資料の範囲で調べた。

「数日だけの的中実績」は、何を意味するか

典型的な流れはこうだ。無料登録すると、まず高額的中の実績画面が並ぶ。ただ、その掲載期間はごく短い。数日分の「的中」だけを見せて、その後は10日、20日と更新が止まる、という作りをよく見かける。実績が並んでいる期間だけを切り取れば、当たっているように見える。だが、更新が止まった後の期間に何があったのかは、外から確かめようがない。

予想情報や情報商材そのものについて、国民生活センターは「情報商材とは、インターネットやメールを通じて、『絶対儲かる』『必ず成功する』などのうたい文句で販売される情報のことです」と説明し、ポイント購入や段階的な高額化を伴う相談が継続的に寄せられていると記録している。「数日だけの実績」も、この「うたい文句」の一種として、まず割り引いて見ておきたい。

短期実績の切り取り 「見えている期間だけ」を実績として出す構成は、投資でも予想でも同じ形で現れる。並んでいる数字が正しいことと、その数字だけを見せる編集が公正であることは、別の話だ。私はそこを分けて考えたい。

公的機関は、この型をどう見ているか

「競艇予想サイト」そのものを名指しした統計は、今回の調査では見つからなかった。ただ、近い型については、いくつかの公的な記録が残っている。国民生活センターの特集ページには、「SNSで勧誘グループを通じて提供された予想情報について、3年4ヶ月にわたり有料で情報提供を受けたが、実績を確認することができなかった」という相談事例が記録されている。これは投資の予想情報をめぐる事例で、公営競技そのものの事例ではない。ただ、有料の予想情報を払い続けても実績を第三者として確かめられない、という骨格は、今回調べた型と重なる。

もう一つ、複数サイトによる誘導の側面も見ておきたい。2023年10月1日以降、事業者の表示であることが分かりにくい推薦・評価は、景品表示法上のステルスマーケティング規制の対象になっていると消費者庁は説明する。同庁のQ&Aでは、サイト冒頭に「広告を含みます」と一文入れているだけでは、事業者の表示であることが明瞭とはいえない場合があるとも述べている。「複数の比較サイトが同じ誘導先を『優良』『Sランク』と並べて薦める」という構成そのものを名指しした処分事例は今回確認できなかったが、規制の一般原則としては押さえておきたい論点だ。

「特典だけでは届かない」設計と、返金なしの規約

もう一つの型が、ポイントの設計だ。新規登録の特典ポイントだけでは、有料プランの最低ラインに届かない金額に設計されている場合がある。つまり、特典を受け取った時点では、まだ何も使えない。そこから追加でポイントを購入して、初めて有料の予想が見られる、という順序になる。規約には「ポイントは返金しない」と明記されていることが多く、購入前に確かめておかないと、後から取り消せない。

特典と課金の間にどれだけの差があるか、規約のどこに返金不可と書かれているか。ここは広告の見た目ではなく、利用規約の文字を実際に読まないと分からない。

  • 実績の掲載期間はどのくらいか。更新が長く止まっていないか
  • 特典ポイントだけで有料プランの最低ラインに届くか、実際に計算してみる
  • 「優良」「Sランク」と評価しているサイトが、その予想サイトへ同じ誘導先で案内していないか
  • ポイントの返金可否・有効期限を、購入前に規約で確認したか
迷ったとき用の一言 「本当に精度の高い予想があるなら、まず無料の範囲で確かめられるはずだ」。特典ポイントを急いで使い切る前に、いったん保留にする。それだけで防げる話は多いと私は見ている。

この記事のまとめ

  • 数日だけの的中実績は、第三者が検証できる実績とは限らない
  • 複数サイトが同じ誘導先を推薦する構成には、ステルスマーケティング規制の観点からも注意したい

で、その「優良」という評価は、誰が書いたのか。まずそこを確かめてほしい。