毎日更新の“市況ニュース”記事が、“投資顧問おすすめランキング”へ読者を送る型を、登録制度とお金の流れで調べた
毎日の株式市況をまとめた無料の記事を読んでいたら、記事の下やサイドバーに「投資顧問おすすめランキング」「儲かる株情報サイトランキング」という、別のページへのリンクが並んでいた——読者の方から、そんな話を聞きました。今号はこれを取り上げますが、特定の事業者は名指しせず、案件をまたいで現れる一つの型として、送客の構造とお金の流れで調べています。で、その先のランキングは、誰が並べているのか。まずそこから見ていきます。
なぜ「今日の相場」の記事に、投資顧問のランキングが並ぶのか
無料の市況ニュースサイトの収益源は、基本的に広告である。バナー広告の表示回数だけでなく、記事の末尾やサイドバーに置かれた「ランキング」ページへ読者を誘導し、そこで紹介された先のサービスに読者が登録・契約すると成果報酬が発生する仕組みが、少なくないと私は見ている。市況ニュース自体は値動きを淡々と伝える事実の記事であることが多いだけに、そこから送り出される先の「ランキング」がどういう基準で並んでいるかは、記事の本文からは分からないことがほとんどだ。
送客の型を三段で分解する
第一段階:無料の市況ニュースで、毎日読む習慣をつくる
日経平均や個別銘柄の値動きを伝える記事そのものは、事実の報道であり、詐欺的な要素があるわけではない。ただ、この段階の役目は「毎日訪れてもらうこと」にある、と考えると分かりやすい。訪問が積み重なるほど、次の段階への導線を目にする回数も増えていく。
第二段階:「無料で銘柄がもらえる」から、LINEやメールの登録へ
「無料で急騰期待の銘柄を配信」「AIが選んだ銘柄を毎朝お届け」といった文言で、LINEやメールアドレスの登録を促す導線が、市況ニュースの記事内や周辺に置かれていることがある。ここで得られるのは連絡先そのものであり、以降のやり取りの入口になる。
第三段階:比較サイト・ランキングを経由して、有料の投資顧問契約へ
「投資顧問おすすめランキング」「儲かる株情報サイトランキング」といったページは、複数の有料サービスを並べて紹介する体裁を取る。ランキングという形式は、読者に「比較して自分で選んだ」という納得感を与えやすい。ただ、その並び順や星の数がどういう基準で決まっているのかは、多くの場合、ページ内に明示されていない。
ランキングの並び順は、誰の得になっているのか
消費者庁の解説では、通信販売の広告に「事業者の氏名(名称)、住所、電話番号」などの表示が義務づけられているとされる(消費者庁「特定商取引法ガイド-通信販売」)。運営者情報や連絡先が分かりにくいランキングサイトを見かけたら、まずその点を確かめてみてほしい。
「無料」を入口にした誘導そのものは、目新しい手口ではない。国民生活センターは2018年の報道発表で、副業・投資に関する情報商材のトラブルが急増していると報告し、無料や低価格の入口から段階的に高額プランへ誘導される構造に注意するよう呼びかけている(国民生活センター「簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!」2018年8月2日)。市況ニュースと投資顧問ランキングという組み合わせも、この「無料の入口から段階的に」という型の一つの現れ方だと、私は見ている。
- 市況ニュースの記事の下に、投資顧問やサービスの「ランキング」ページへのリンクがないか確認したか
- ランキングページに運営者の氏名・住所・連絡先が明記されているか確認したか
- 紹介されている投資顧問サービスが、金融庁の登録業者一覧に載っているか確認したか
- 「無料」の先で、連絡先の登録だけを求められていないか意識したか
- 有料プランを勧められても、その場で契約せず、いったん持ち帰って調べたか
この記事のまとめ
- 無料の市況ニュース記事は、「投資顧問おすすめランキング」のようなページへ読者を送る入口として機能していることがある
- 投資助言・代理業は登録制であり、ランキングに並ぶサービスが登録業者かどうかは自分で確認できる
ランキングという形式そのものが悪いわけではない。ただ、その並び順の根拠と運営者情報を、自分の目で確かめてから次に進んでも遅くはない。