中身を明かさないまま高額サポート料を払わせる副業勧誘の型を、お金の流れで調べた
「無料の相談会に出てみませんか」という入口から始まる副業の話がある。話を聞きにいくと、稼ぎ方そのものは最後まで見せてもらえない。代わりに、数十万円の「サポート料」を払えば全部教える、という流れになる。特定の業者やサービスは名指ししない。私がここで調べたいのは、この“中身を伏せたまま先に高額の料金だけ決まる”型を、語られる説明ではなくお金の流れの側から見るとどうなるか、という一点だ。
入口は「無料」、肝心の中身は契約のあとに回される
この型の入口は、たいてい無料だ。無料の説明会、無料の個別相談、無料のメッセージのやり取り。そこで「これなら稼げる」という雰囲気だけ先に作る。ところが、では具体的に何をどうやって稼ぐのか、という核心は「契約してから」「サポートに入ってから」と後ろへ回される。つまり、買うかどうかを決める時点では、買う中身が見えない。
副業をきっかけにした相談は、公的にも増え続けている。国民生活センターは、SNSを通じて副業を見つけたことがきっかけで相談に至るケースが増加し、既に相応の消費者被害が生じていると注意を呼びかけている(国民生活センター・2024年)。珍しい話ではない、ということだ。
数字でほどく——「サポート料」はいくらで、何に対する対価か
金額は、入口の「無料」とは桁が違う。消費者庁が公表した注意喚起では、無料相談からLINEなどで段階的に誘導したうえで、「このプランなら月50万が当たり前」「儲けが出なければ返金保証がある」などと勧誘し、高額なサポートプランを契約させていた事例が示されている(消費者庁・2025年)。同庁の資料には、初心者向けとして60日間で250万円のサポートプランを勧める文言まで記録されている。
ここで一度、割り算をしてみてほしい。仮にサポート料が30万円だとして、それを取り戻すために月いくら稼げばいいのか。「月50万が当たり前」という説明が本当なら、料金は一月で楽に消える計算になる。だが、その「月50万」は誰が、どんな作業で、何人中何人が出している数字なのか。そこは示されない。先に決まっているのは、こちらが払う金額のほうだけだ。
「成果保証」という言葉のからくり——返金を連想させて、返金しない
この型でよく使われるのが「成果保証」という言葉だ。聞くと「成果が出なければお金が返る」と受け取りたくなる。だが、成果保証は返金保証と同じではない。条件として細かな作業ノルマが課されていて、実際には返ってこない、という形が多い。
消費者庁の資料は、その出口の実態も記している。事業者はサポートプランの解約を促し、少額の返金で合意する「解約同意書」の提出を求めてくるという(消費者庁・2025年)。「返す」と言いながら、実際に戻るのはごく一部、という構図だ。しかも、こうした契約はインターネット上の通信販売にあたることが多く、通信販売には法律上のクーリング・オフ制度の適用がない(国民生活センター・2024年)。後から「やっぱりやめたい」が、思うように通らない設計になっている。
言葉の問題でもある。実際よりも著しく有利だと人を誤認させる表示は、特定商取引法が誇大広告として禁じている類のものだ。「成果保証」「絶対に返る」という響きが、中身と釣り合っているか。で、その利益の出どころは?――その一言を、契約書にサインする前に自分へ向けてほしい。
立ち止まるための、ゆるい確認
気合いで見抜こうとすると疲れる。だから「いつものクセ」にしてしまうのがいい。一番効くのは、その場で決めないことだ。「いったん持ち帰って調べます」を口ぐせにしておくだけで、急かす相手の前ではかなり防げる。そのうえで、次のあたりを確かめてほしい。
- 払う前に、稼ぎ方の中身を具体的に確認できるか(「契約後に説明」なら保留する)
- 「成果保証」「返金保証」の条件が書面にあり、自分で読んで理解できるか
- 料金の総額と、追加で求められうる費用が、先に全部示されているか
- その金額を、借入や分割をしてまで払うよう勧められていないか
この記事のまとめ
- この型は「無料相談 → 中身は伏せたまま → 数十万円のサポート料」という順序で進む
- 「成果保証」は返金保証ではなく、解約時は少額返金にとどまる例が公的に確認されている
確かめるのは雰囲気ではなく、中身が見えているか・料金が先に全部示されているか・「保証」の条件が書面にあるか。迷えば、払う前に188へ。